住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

2016年2月アーカイブ

四門の扉が開く時

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四門の扉が開く時

お釈迦様は王子として生まれます。

城の中で栄華と若さを誇り、そのとこしえを讃えられて暮らしていましたが、青年となったある日、初めて城の外に出ます。

先ず東の門を出ると、そこには、しわだらけて腰が曲がりヨボヨボのものがいます。

侍者に「あれは何者か?」と問うと「老人でございます」という。

「老人とは何か?」と問うと「人は皆、やがてああなります」という。

「私もか?」

「はい、王子様もやがて必ず」。。。。

その答えに愕然とした王子は城に引き返し、今度は南の門から出ます。

するとそこには顔色が悪くげっそりしてゼエゼエ臥せっているものがいます。

「あれは?」と問うと「病人でございます」。

「病人とは?」

「人は皆、そして王子様もやがて必ず」との答え。

ショックを受け城に引き返した王子は、次いで西の門から出ました。

するとそこには見るも無残なものが横たわっています。

「あれは?」と問えば「死人でございます、人は皆、そして王子様もやがて必ず」・・・。


栄華と若さを誇り、そのとこしえを讃えられていた王子は、この答えに戦慄して城に帰ります。

最後に王子は北の門を開きます。

するとそこにも見たことのないものが立っていました。

老病死の恐怖に震える王子は、その人の姿に心ひかれます。

「あのものは何か?」との問いに、侍者は答えました。

「老病死の輪廻の鎖からの解脱を求める修行者であります」と。

この瞬間、王子の中に出家の心が芽吹いたとされます。


さて、お釈迦様ほどの人が青年に至るまで老病死を知らなかったなどということがあるでしょうか。

むろんそうではありません。

この物語は、青年のある時に、お釈迦様の人生と人格において、魂において、老病死の問題が、はじめて切実な意味を持って立ち上がったことを伝えているのです。

私たち人生も同じです。

仏教というのは、青年のお釈迦様がそうあったように、私たちの人生において老病死の扉が開いた時に、俄然意味を持ってくるものなのです。

あなたの四つの門は、もう開いていますか?

それともこれからですか?


御開帳のご案内

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ご案内

絵解き 釈迦涅槃図~お釈迦さま最後の旅~

 

長谷寺ではお釈迦さまの命日(やしょうま)に当たり寺宝「大涅槃図(ねはんず)」を公開しお絵解きをします。仏教の祖、お釈迦さ まの最期の様子が描く涅槃図の絵解きは、お釈迦さまが80年のご生涯を通じて、お釈迦さまが何を求め、何を伝えたのかを物語ります。長谷寺の寺宝「大涅槃 図」のお絵解きで、お釈迦さま最期の旅路を一緒にたどりましょう。

 

 

■期日           3月15日(火)   午前10時~     午後 2時~

■場所             長谷寺 庫裏    長野市篠ノ井塩崎878

■絵解き          岡澤恭子

■笛奉納         maru

■参加       無料。どなたでもご参加できます。

■内容             釈迦涅槃図の絵解き~お釈迦さま最後の旅~

                      長谷寺の寺宝「大涅槃図」を公開し絵解きをします。

                      涅槃図は縦2.3メートル、横2.3メートル。江戸時代中期の作。

 

絵解きでは、お釈迦さまの80年のご生涯と、お亡くなりになる最後の場面のお話をします。分かりやすい絵解きによって、愛別離苦、生者必滅、会者定離という教えの世界が、私たち自身の出会いと別れの経験と響きあって、深い感動とともに伝わってまいります。

「絵解き 釈迦涅槃図」のフェイスブックページはこちら!

 

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■問い合わせ   長谷寺  026-292-2102

 

■備考             絵解き  岡澤恭子(昭和44年愛知県生まれ。)

大学で「平安時代の女性と仏教」を学んだ経験を生かして、平成10年の長谷寺の涅槃図の修復を機にお釈迦さまの涅槃図の絵解きを始めました。その後、絵解きへの関心が高まり、現在では毎年真言宗智山派総本山智積院で修行僧に絵解きの講義を行う他、川崎大師、護国寺、智積院東京別院、名古屋大須観音をはじめ、全国各地の寺院や檀信徒研修会、青年会、寺庭婦人会、各種教育機関等で絵解きを行っています。皆さまと一緒にお釈迦さまのご生涯をたどり、そのお心に触れたいと思います。お誘いあわせお出かけ下さい。

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