住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

2017年4月アーカイブ

静かに座るひと時を

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430日 晴れ 気持ちのよい新緑の日

 

4月はやはりバタバタとしていて、この「住職日記」もなかなか更新できません。よく「忙しいという字は、『心』が『亡ぶ』と書く」といわれますが、何やかにやと寺のことや諸々と頂いているお役目の会議などをしているうちに、あっという間に月末です。なんだか、「心ここにあらず」で、こんなふうに日々が過ぎていくのが少し怖いですね。

皆さんは、この4月をいかがお過ごしでしたか?

私は、坊さんの修行としてはもちろんですが、こういう落ち着かないときには、心のメンテナンスのつもりで、夜のひと時座るようにしています。

座る、そう、座禅、瞑想、ですね。

もっとも、こんなときは、心身のリラックスも願うところなので、本格的に実修するというより、呼吸法を中心に「静かに座る」という感じですね。

ですから、部屋の明かりをほの暗くして、お香を焚き、静かな音楽も流します。私のお気に入りは、リラクゼーションやメディテーション用に作曲されているものですが、夜のひと時の静座の間、『ここに在らずの心』が戻ってくるような、そんな気持ちがします。


みなさんも、夜眠る前などに、5分だけでも、心身をほどいて、静かに座るお時間を持ってみてはいかがですか?

 

深い呼吸と静座。

何も足さない、何も引かない。

そんなCMが昔ありましたね。

焦りやイライラ、忙しいと、そんな気持ちがたまってきます。

そんなマイナスの気持ちだけではなくて、穏やかで柔らかな気持ちも、自分の中に持っていたいですね。

眠る前、一日の体の疲れをとるときに、深い呼吸と静座で、イライラや心配だけで眠る夜とは違う、少しやさしい眠りが訪れるかもしれません。

 

今夜から、そんなお時間をお持ちになってはいかがですか。

 

住職より

合掌

観音の大悲の桜咲きにけり

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4月16日 晴れ 桜満開ちょっと前 

長谷寺の桜もいよいよ見頃を迎えています。

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18日の春まつりは雨の予報ですが、きっと一週間くらいは楽しませてくれると思いますので、お出かけ下さい。

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観音の大悲の桜咲きにけり      子規

 

正岡子規の句です。

観音さまの寺の桜が咲いたよ、ということですが、「大悲」という言葉があることで、この句はとても味わい深くなりますね。

大悲とは、観音さまの心「大いなる思いやり」ということで、さかのぼれば「一緒に泣く」「共に震える」という意味があるそうです。この一緒に悲しむという心が、観音さまの『本心』でありその救いの力の働きそのものなのですね。

仏教では、この「悲」という働きが、他者の悲しみを癒し、傷ついた心を再生させると考えます。とりわけ大切なのは、悲しんでいる人本人が、その同悲の実践によって自ら立ち直っていくと考えるところです。誰かの思いやりを受けるだけでなく、他者への思いやりの発動こそが、自身の悲しみを癒していくのですね。

そんなことを踏まえて子規の句を読み直してみましょう。

子規の悲しみを桜の花が慰める時、子規は、そこに大悲つまり観音さまの働きを感じていたのではないでしょうか。観音さまは、その姿を無限に変化させて人々を救ってくださいますが、誰かがあるいは何かが私を癒し慰める時、その癒しの場には観音さまがお出でになるのだと思います。桜を見上げて慰められている子規の前に、桜という観音さまが現れているのです。

長谷寺には、たくさんの桜はありませんが、一本一本に観音さまの働きがやどり、皆さまをお待ちしております。

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住職より

合掌

410日 晴れ 気持ちの良い日

第2回 ながのご縁を 長谷寺でご縁を

昨年初めて開催されてとっても好評だった「長野ご縁を 長谷寺でご縁」が、また開催されることになりました!

真剣に人生のパートナーとの出会いを求め、ご結婚を考えている善男善女の皆様。長谷のお観音さまは、古来「良縁成就」の縁結びのご利益もあらたかな観音さまです。


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 チラシ表


また、運営スタッフがおもてなしの心で皆さまをお迎えし、お寺ならではの空間と、お祈り体験(護摩祈祷)などで、皆さまの大切な出会いの時間を応援、お手伝いさせて頂きます。

先ずは、こちらの専用サイトをチェック!

第2回 ながのご縁を~長谷寺でご縁を


お申し込みもそちらからとなっておりますので、ぜひどうぞ!


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チラシ裏

住職より

 

※4/10 13時現在で男性・女性ともに定員になりました。

合掌

(住職記)

 

今日はお釈迦さまの誕生日

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48日 花まつり お釈迦さまの誕生日

 

今日は「花つまり」お釈迦さまの誕生日(降誕会)。

お釈迦さまは、今から、2500年ほど前に、インドの北、今のネパールのあたりにありました釈迦国という小さな国の王子としてお生まれになりました。

ルンビニーの花園で、お母さまの右脇からお生まれになるや直ちに北に向かって七歩あゆんで、右手で天を、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」と唱えられたと伝えられます。王子は、シッダールタ、全てを叶えるもの、と名づけられました。


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 (画・牧宥恵)


そして、健やかな成長の中で、シッダールタ王子は、深く人間の生老病死の「苦」を見つめ、その苦しみが永遠に輪廻する世界からの真の解放(解脱)の道を求めて、29歳の時、家族も地位も財産も捨て、ひとり出家されたのでございます。

それから、髪をそり、ボロをまとい、真理をたずね、師を求め、命がけの苦行をし、かつて誰もしたことのなかほどの断食をきわめて6年の間ひたすらに真理への道を求めて参りますが、いずれの道にもシッダールタは満足できず、それらを離れ、それらを超えて、ひとり心身を調え、かの菩提樹のもとで深い瞑想に入られます。

 

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(菩提樹)


そして長い瞑想の末、目覚めを妨げる悪魔マーラーを退けて、シッダールタは12月8日の朝、明星の輝くころ、悟りを開き、ブッダ=目覚めた人となったのでございます。

以来、80歳でクシナガラの沙羅の林で入滅されるまで、自ら目覚めた解脱への道を、人に応じ、苦に応じ、病に応じて説き示し、多くの人が弟子となり、多くの人が慰められ、多くの人が帰依し、その法は、時を超え、国も民族も越えて、今日に伝えられています。

 

どうか、多くの皆さまに、お釈迦さまとのご縁がありますように。

その善き教えと、皆さまが出会われますように。

この世に、お釈迦さまの教えが広まり、長く伝えられていきますように。



 

南無釈迦牟尼如来

南無釈迦牟尼如来

南無釈迦牟尼如来

 

合掌

(住職記)

すきなことば

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46日 晴れ 春らしくなってきました

 

今日は、長谷寺とも縁のある詩人の故・山尾三省さんの詩から、私の大好きなものをひとつご紹介します。


ことば

        山尾三省

 

あなたはどんなことばがすきですか

海ということば

森ということば

いのちということばが

すきですか

それとも

平和ということば

やすらぎということばが

すきですか

それとも

争いということば

憎しみということば

むかつくということばが

すきですか

 

それともまた

しらけるということば

切れるということばが

すきですか

 

私は今

いのちということばと

やすらぎということばが

とてもすきです

 

いのちということばには

わたくしの光があります

安らぎということばには

わたくしの涙があります

 

あなたはあなたで

わたくしはわたくしで

もろともに

ほんとうに心から好きなことばをみつけて

そのことばを大切にし

そのことばを生きていくのが

人間であり

人間社会であると

わたくしは思います

 

いのち

やすらぎ

 

あなたはどんなことばがすきですか

*           *              *              *

 

長谷寺は仏教の中でも真言宗の教えを伝えています。

真言というのは、字の通りに「まことの言葉」ですが、それを教義として宗教哲学的に理解し体解するのは容易なことではありませんね。

仏の道は、悟りや救いの道として人類の宝である一方で、良寛さん「釈迦といういたずら者が世に出でて世間の人を惑わするかな」という歌があるくらいですから、その『難しさ』というのが立ちはだかって、私たちの意識を遠ざけてしまいますね。

この三省さんの詩は、実は、そういう難しく感じられる仏の道を、分かりやすく語ったものでもあります。

「ほんとうに心から好きなことばをみつけて、そのことばを大切にし、そのことばを生きていく」こと。それが、真言宗という、まことの言葉を生きていくということに通じていくのですね。

愛とか、思いやりとか、感謝とか、誰でも大切にして生きていきたい言葉ってありますよね。モットーとか、座右の銘とか、いろいろといい方はありますが、本当に真心から日々大切にして生きていく言葉。自分の人生を、その言葉とともに歩んで行けるような言葉と出会えたら、それはなんて素晴らしいのでしょう。

みなさんは、どんな言葉がお好きですか?

時々、静かに見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

合掌

(住職記)

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