住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

長谷寺: 2014年5月アーカイブ

負ける練習

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負ける練習

あいだみつを

 

柔道の基本は受け身

受け身とは投げ飛ばされる練習

人の前で叩きつけられる練習

人の前でころぶ練習

人の前で負ける練習です。

 

つまり、人の前で失敗をしたり

恥をさらす練習です

自分のカッコの悪さを

多くの人の前で

ぶざまにさらけ出す練習

それが受け身です。

 

長い人生には

カッコよく勝つことよりも

ぶざまに負けたり

だらしなく恥を

さらすことのほうが

はるかに多いからです。

 

そして

負け方や受け身の

ほんとうに身についた人間が

人の世の悲しみや

苦しみに耐えて

ひと(他人)の胸の痛みを

心の底から理解できる

やさしく暖かい

人間になれるんです。

 

そういう悲しみに耐えた

暖かいこころの人間のことを

観音さま、仏さま、と

呼ぶんです。

出典「一生感動一生青春」(文化出版局)出版


無限の可能性、頑張れが夢はかなう、と

耳触りのいいことばかり語られる子供時代。

でも、受験があったり、就職があったり、失恋があったり、仕事に失敗したり。

スマートにはいかないのが人生なんだな、と、

かみしめることが誰にでもある。

誰にでもあるけれど、

「どうして自分だけ?」と、

思ってしまう。

「どうして俺ばかり?」「どうして私ばっかり?」

でも、そういう辛く悲しい出来事を知る人が、

一人ぼっちの人の悲しみに寄り添うこともできる。

「負ける練習」はとても味わい深い詩です。

もしかしたら、私たちの人生なんて、

ぜーんぶ、負ける練習なのかもしれません。

どうして自分ばっか?

と、思うこともあるけれど、

負ける練習をたくさんした人が観音さまの心に近づけるのですから、

うまくいかない時こそ、

スマートに行かない時こそ、

心して『受け身』をしましょう。

負けること、それは大切な魂の練習です。

浜辺の足跡

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浜辺の足跡

 

アデマール・デ・パロス

 

夢を見た、クリスマスの夜。

浜辺を歩いていた、主と並んで。

砂の上に二人の足が、二人の足跡を残していった。

私のそれと、主のそれと。

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ふと思った、夢のなかでのことだ。

この一足一足は、私の生涯の一日一日を示していると。

立ち止まって後ろを振り返った。

足跡はずっと遠く見えなくなるところまで続いている。

ところが、一つのことに気づいた。

ところどころ、二人の足跡でなく、

一人の足跡しかないのに。

私の生涯が走馬灯のように思い出された。

なんという驚き、一人の足跡しかないところは、

生涯でいちばん暗かった日とぴったり合う。

苦悶の日、

悪を望んだ日、

利己主義の日、

試練の日、

やりきれない日、

自分にやりきれなくなった日。

そこで、主のほうに向き直って、

あえて、文句を言った。

 

あなたは日々私たちと共にいると約束されたではありませんか。

なぜ約束を守ってくださらなかったのか。

どうして、人生の危機にあった私を一人で放っておかれたのか、

まさにあなたの存在が必要だった時に

 

ところが、主は私に答えて言われた。

 

友よ

砂の上に一人の足跡しか見えない日、

それは私がきみをおぶって歩いた日なのだよ。

 

*  *  *  *  *

 

とても有名な詩で、ブラジルの詩人の方の詩だそうです。

キリスト教徒の方ばかりでなく、ひろく現代の私たちの胸に響いてきます。

時々、思い出し、読み直しています。

お釈迦さまのことば

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お釈迦さまのことば。

 

今に伝えられるその言葉。

 

私たちは、ふつうそれを読むことが多い。

 

でも、よく考えてみれば、


お釈迦さまご自身は何かを書き残した方ではない。

 

その法は、いつも語られたものだった。

 

だから、弟子も信徒も、


皆その声に、その言葉に、深く耳を澄まして聞いた。

 

全身全霊で、聴いた。

 

全身耳になって、聴いた。

 

春の夜に、心静かにお聞き下さい。

 



この動画は寂静山禅定院さまによるものです。

寂静山禅定院さまは、『原始仏典に残る「仏陀の生の言葉」により説かれた「真理」に立脚し、不立文字、教外別伝の法としての禅定道の中­で、独自に到達した「寂静禅」による修道を行う禅道場」です。

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