「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」
巡礼の最近のブログ記事
写真の人
お堂にはいろんな人の写真があります。
誰かが持ってきて貼っていきます。
いつの間にかそんな写真でお堂の前は一杯になっています。
おじいさんやおばあさんの写真もあります。
お父さんやお母さんの写真もあります。
お兄さんやお姉さんの写真もあります。
弟や妹の写真もあります。
赤ちゃんの写真もあります。
黄色くなった紙の中に、人の形がぼんやり見えているだけの写真もたくさんあります。
破れてしまったものはもっとたくさんあります。
おじさん
そのおじさんは松葉杖をついていました。
一人ではお風呂に上手に入れないので、黒い髭をはやした別のおじさんが一緒にいます。松葉杖のおじさんは人に会うといつも嬉しそうに笑います。髭のおじさんも一緒にいますが、あまり笑いません。二人はよくお風呂屋さんにいます。でも二人が本当はどこに住んでいるのか誰も知りません。誰かが本当は遠くにお家があると言っているのを聞いたことがあります。でも、もう何年も何年も帰っていないんだそうです。
おじいさん
僕がそのおじいさんと会ったのはお遍路さんがずっと昔から旅の道標にしてきたという大きなクスノキの下でした。おじいさんはビニールの小さな青いリュックを背負って、クスノキの根元に腰をおろしていました。右手には曲がりくねった木の杖を持っていました。右足と左足は、種類も大きさも色も違うゴム草履を履いていて、もう何年も裸足でいるのが一目で分かるくらい真っ黒くなった足です。その足は僕の足とは違う形をしていて、とくに親指は左右ともぐにゃりと曲がっていて、そこだけ不思議なくらい真っ白な爪は爪の形をしていません。他の爪はどうなっているのかというと、もうみんな取れてしまったのか生えなくなってしまったのか見えませんでした。
信濃の観音めぐり、長谷寺の企画も終盤。
今回は、小諸の名高い布引観音釈尊寺、上田市丸子の宝蔵寺、龍福寺、そして姥捨山長楽寺をお参りしてきました。
今年はバス巡拝の参加者も70名ほどいらして、大勢の皆さんと楽しいお参りが続いています。
残暑が厳しいので、布引山を登るのはいささか不安でしたが、さすが霊場です。一歩参道に入るや、ひんやりとした冷気につつまれて、日差しは大きな木々にさえぎられ、まったく暑さを気にすることはありませんでした。20分ほど登りますから、その「運動」による汗はかきますが、登りきって観音堂にいたれば、布引山をわたる風が汗をかいた肌に気持ちよく、切り立つ崖に見事に建てられた懸崖造りの観音堂で、皆さんで爽やかに般若心経をお唱えしてまいりました。



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