住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

住職の独り言: 2013年8月アーカイブ

お盆を前に

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お盆を前に

 

現代は、多くの人々が「生きづらい」という感覚を抱えて生きています。

社会全体に生きづらい感覚が蔓延し、せっかくの限りある人生なのに、幸福感が得られないうちに過ぎていきます。

心理カウンセラーとして知られた故・河合隼雄さんは、こうした生きづらい社会の中で、こころに深い悲しみや傷を負った人と向き合うカウンセリングを通じて、人々が悲しみから立ち直り、再生していく姿を見つめてきました。

その長年の経験に基づいて、この生きづらい社会で、人間が幸福感をもって生きていくための条件として、次の二つを提示されました。

 

一つは、自分の人生にきちんと向き合って生きるということ。

そしてもう一つは、自分を超える存在とつながっているという感覚があること。

 

皆さんはいかがですか。


さて、季節は間もなくお盆ですね。

思うに私たち日本人は、祖霊を迎えて送るというお盆の行事を通じて、河合さんが示した「ふたつの前提」を社会全体で共有し、養い、世代をこえて伝えてきたのではないでしょうか。

先祖を迎えて共に過ごす日々から、人々は自分を超えた存在とのつながりを感得し、毎年の繰り返しの中で、人生に謙虚になり、やがて生きづらい世に幸福感を得ていくための人生観のベースを養ってきたのです。

今年のお盆には、どうぞ心から祖先の霊を迎えて、幾世代も連なる大きないのちの世界と自分とのつながりを(意識的に)感じ、手を合わせましょう。



2015年7月

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