住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

住職の独り言: 2014年3月アーカイブ

お彼岸に「また見つかった」

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春の彼岸は明けましたが、

この季節は、

長谷観音の正面真東から太陽が昇ります。


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また見付かつた、

何が、永遠が、

海と溶け合う太陽が

 

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これはフランスの詩人ランボーの有名な「地獄の季節」という作品の一節。林秀雄さんの訳ですね。


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長谷寺から望む太陽は日の出。

この詩は落陽であるそうです。

また海と溶け合う太陽を見つめています。

長谷寺から望むのは、

海ではなく山。

しかし、その日の出の瞬間に、

大いなる太陽と山とが融け合う姿には、

永遠と名づけたくなるような荘厳さがありますね。


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また見付かつた、

何が、永遠が、

海と溶け合う太陽が



このような瞬間に巡り合うと、

私たちは誰しも何とも言えない感情が溢れてきます。

そして思わず手を合わせたくなりますね。

 

その時、

「また見つかった」

と、私たちは自分たちの中にそれぞれ見出す気持ちがあるのではないでしょうか。

そんな気持ちになる時間を大切にしたいですね。


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いよいよ春。

梅も開き杏や桜の季節を迎えます。

コートやマフラーを脱いで、長谷の観音さまに会いに来てください。

常楽会にこめられた恋慕の情

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常楽会にこめられた恋慕の情

 

私が修行したのは京都東山の智積院。

一般には知られていませんが、日本の仏教史の中では、学問の寺として天下に知られた名刹です。

その智積院の常楽会(涅槃会)に伝わる舎利講式は、鎌倉時代の明恵上人によるものです。

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「絹本著作明恵上人像」(高山寺蔵、国宝

舎利講式は上人のお釈迦さまへの深い愛情と追慕の念が余すところなく表現された日本仏教文学上の傑作といわれています。

明恵上人は宗派を起こしたような僧侶ではないので、今日では各宗派の宗祖のような知名度こそありませんが、日本の仏教史上極めて重要な存在であることは疑いありません。

さて、この講式全体に貫かれている主題は、お釈迦さまに対する「恋慕」の情です。

明恵上人は、講式において、お釈迦さまよりはるかに遅れて生まれてしまったこと、死に目に会えなかったこと、場所もインドから遠く離れて生まれてしまったことを嘆きます。

けれども、ひたすらに舎利(遺骨)に恋慕渇仰の想いを凝らせば、必ずやお釈迦さまと会える!

そのような切々たる恋慕の思いが全編を通じて謳われています。

お逮夜(常楽会前夜2月14日)に読む遺教経(お釈迦さまの最期の説法と伝えられるお経)を、初めて経蔵で手に取った明恵上人は、感動で打ち震え、こぼれる涙を抑えることも出来ずに声をあげて泣いたと伝えられます。

そのような上人のお釈迦さまへの情感あふれる舎利講式を唱える常楽会が、「智を積み上げること」を中心とする学問寺として名高い智積院において、古来もっとも重視された法要のひとつであったのは、とても意義深いことであると思います。

ここで謳われるのは、お釈迦さまへの愛、憧れ、追慕の情、すなわち「好き」という想い。

きっと、こうした仏祖への憧れなしに、仏教的な知識ばかりをどんなにたくさん積み上げても無意味であることを、学問の中心寺院として名高かった智積院の歴代の学僧たちは深く知った上で、自他に対する戒めとしてこの法会を営み、明恵上人の恋慕の思いを我が想いとして育んできたのではないでしょうか。

なぜなら、「仏教を知っている」ということと「仏教を生きる」ということはまったく別次元のことなのですから。

僧侶というものは仏教をただ知っている人を指すのではなく、仏教を生きている人を指すのですね。

かくいう私も、そう言いながら忸怩たる思いがありますから、少なくとも、それを生きようとする人、と申しましょう。

こんな時代の、こんな至らぬ僧であっても、それでもお釈迦さまへの追慕の心を持ち続けたい。

お釈迦さまへの愛、憧れ、恋慕の心が深まっていくものでありたい。

お釈迦さまへ、その教え(法=ダルマ)へ、また弘法大師(各宗派の祖師)へ、本尊へと、大きな憧れと恋慕の想いを持ち続けていくこと。

それは明恵上人がもっとも重視した心に通じ、お釈迦さまご自身もまた、悟りを開いてから後も生涯にわたって真理を愛する心、真理への憧れを瑞々しく保ち続けた人であったに違いありません。

お釈迦さまが好きという気持ち。

皆さんも、大切に、そして少しずつ、育んでみてはいかがでしょう。

平成26年 涅槃会

お祈りします

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今朝は冷え込みました。


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今日は、311日。

 

東日本大震災の起こった日。

 

皆さんとともに、犠牲となった方々に対しまして、心からご冥福をお祈りしたいと思います。

 

そして、それぞれの場所で暮らす皆さんの望む形で、復興が進んでいきますようお祈り申し上げます。

 

 

凛とした冷気の中にたたずむ観音堂。

 

東の空からさしてくる太陽の光と真っ青な空。

 

希望の光が、被災地にも燦々と注がれますように。

 

温かい温もりが、被災地に広がりますように。

 


花は咲く(オリジナルフルバージョン) from FOSTERFREES on Vimeo.

 

南無大慈大悲観世音菩薩

 

おん まか きゃろにきゃ そわか

 

合掌

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