住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

寺暮らし: 2009年9月アーカイブ

お豆腐屋さん

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地元に一軒のお豆腐屋さんがある。

私が子どもの頃、そのオジサンが自転車だったか、カブだったかをノロノロと運転しながら、例のラッパを吹き吹きあちこち御用聞きをしていた。

寺の施餓鬼には欠かせない食材で、手作りの味わいがあり、素朴で、何と言うが「コシ」があった。

ある時、学校の帰りに豆腐屋のおじさんのラッパを聴きつけ、みんなでおじさんが商売をしているところには走っていった。

私の仲良しのいたずらっ子が、大きな声でおじさんに尋ねた。

「おっちゃんも、豆腐食うだ?」(「~だ」はこの地域の用法で疑問や独り言などに多用される。例:「どこ行くだ?」「さて、畑行くだ」)

ちょっと、悪ガキらしい意地悪な聞き方であった。

すると、豆腐屋のおじさんは、驚くような大きな声できっぱりと言った。

 

息が白い・・・

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二十四節気では白露節、七十二候だと草露白になり、今朝は御堂の屋根にも朝露が乗っていた。

鐘つき堂から朝日を眺めていると、千曲市の森の辺りは朝靄がかかっている。

裸足の足が肌寒く感じ、ふと気がつくと息が白い。

「ああ、秋だなあ」と思わず呟いた。

いつものように、本堂裏山の倒木や枯れ枝の片付けに来てくれている小山さんが、上のほうから声をかけてきた。

「おはよぉ、さむいなぁ」

笑いながら、大きな篭を背負い降りてくる。背負い籠には枯れた枝や切った枝が一杯に入っている。

2015年7月

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