住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

地域のことの最近のブログ記事

万歳三唱

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今日は、近所のお宅のご子息の結婚披露宴であった。ご近所さんとしてお呼ばれに与った。

とはいえ、彼と奥様はすでに式を済ませ、他県に居を構えて愛らしい赤ちゃんもあるのであった。

そのうちに、故郷でもお披露目をしたいという希望を持っていた彼の父親が、子供の首も座ったということで、ここに目出度く故郷での披露宴が実現したのであった。

私は、最近まで全国的な常識だと思っていたのであるが、実は誠にローカルな風習であることが分かったものに、こうした結婚披露宴や目出度い席の締めくくりに遂行される「万歳三唱」がある。

信州だけなのかどうかは不明だが、とにかく、我々の地域では結婚披露宴などの席も中締めのタイミングを迎えると、おもむろに然るべき人物がご指名されて、「本日の主役」の弥栄を祈って参加者一同の唱和とともに盛大に『バンザーイ』と3回やるわけである。

 

塩崎にはお寺がいくつかある。

長谷寺の他に、康楽寺さん、天用寺さん。それから欣浄寺さん、浄信寺さん。

古い言い伝えでは、また他にもあったようだ。長谷寺のそばには、長福寺、長久寺があったし、寺の存在は確証ないが、妙法寺という地名も残っている。

それから、神社もそれぞれの地域にあるから、塩崎というところは歴史が豊かだ。

寺社仏閣があるからというだけではなく、古墳もいくつかあるし、田んぼもだいぶ古いそうだ。

そういえば、近くの田んぼが宅地開発されたのが僕が小学生の頃だったが、掘り起こされた田の土には、おびただしい土器の破片があり、学校の行き帰りに拾い歩いたものだ。弥生、縄文といろいろなタイプのものがあってワクワクした。

小学校の新校舎の工事の時は弥生時代の住宅や生活の跡が多数発掘され、勾玉の原石というのを友達が「体験発掘」で掘り当てた。

塩崎というところは、大そう昔から人間が住み着いていたのだと、子供ながらに感動したものである。

 

法事に虫

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法事の席に、虫が闖入してくることがある。それも、けっこうある。

法要中、蚊がぷうううんと舞って来て、僕の頭をちくりとやるばかりでなく、参列の施主一族の端からいたずらして回ることがある。

昨日はMさんの法事の時は、本堂でのお参りの後で庫裏でお茶を召し上がっていただいていたら、一匹の蜂が舞い込んで来た。

秋のせいか、なんとく弱々しい飛び方ではあるが、一同、その大きな姿と羽音に不安になる。

施主さんか言った。

 

先日、広島市民球場のラストゲームが報じられていた。

長年市民に愛された野球場が立替のために壊されてしまうことになったという。満員のスタンドが、球場に寄せる広島市民の思いを表していた。

負けてばかりの「お荷物チーム」が「赤ヘル軍団」と呼ばれてにわかに強くなり、初優勝を果たしたのが、僕が小学校1、2年生の頃。前年に長嶋さんが引退していた。

そんな時代だったか、と僕が息子と同年齢の頃を思い出す。

昨日は娘の保育園の運動会だった。

20081004.jpg

 

 

この春から、息子は地元の少年野球チーム「イナズマドラゴンズ(略してイナドラ)」に入団した。

ルーキーである。

息子は燃えている。友達やチームのコーチである父兄の熱心なお誘いを受けて仲間に入れてもらったわけだが、以前は「サッカーやりたい」と言っていたのが嘘のような勢いで、毎週土日の練習や試合を心待ちにしている。

夕方になれば、キャッチボールをせがみ、僕が暇そうにしていると「バッティングセンター」に行きたいと言う。

何がそんなに彼をひきつけたか、ベースボールの女神さまが、どうも10歳の少年にウィンクしてしまったと思われる。

息子とヨモギとりをした。全国的なこととは思えないが、この季節、私の母校でもある塩崎小学校では全校児童がヨモギを取って持ち寄り、それを業者に買い取ってもらって現金化し、体育館のボールを買ったり楽器を買ったりした。

子供の頃、近所の子供たちと連れ立って裏山の「猪ノ平」までヨモギを摘みに行った。

大きな袋を満タンにするまでとりまくった。翌日、サンタクロースのような子供らが方々から登校してくる。

中には10キロにも及ぶヨモギをとって、親が軽トラックで運んだりしていた。

次第にヨモギ取りにも熱が入り、学校帰りには競争で「産地」を求めた。学校から近い子供たちは、帰宅するや自転車でヨモギ取りに散り掛かる。

しかし、僕らのように片道30分も歩くような子供らは実に不利だった。

まだランドセルを背負って歩いている僕らの横を、自転車に乗った友達がヨモギ取りの袋を持って収穫に向う。

悔しいので、むやみに早起きしてあちこち取りにいった。

そうやって収穫し持ち寄ったヨモギを、体育館の秤で重さを測るのが楽しみになる。

楽しみにしている間は可愛いが、重さに対する執着が生じてエスカレートしてくる。

子供なりに悪知恵を働かせヨモギを摘むのに茎のほうから葉っぱもたくさん摘んで混ぜたり(本来は頭の部分しか商品にならないと後で知った)、登校直前にスプレーで水を大量に含ませて重さを稼いだ。

かなりズルイことをしているという自覚もあったが、「多いほうがいい」「重いほうがいい」という、まさに高度成長期の児童らしく数字だけを目指していた。

回覧板

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今年度は、地区の常会の「組長」がまわってきた。組長というとなんだか凄そうだが、その仕事は主に回覧板を届けたり市からの配布物を常会内の各戸に届けることである。

日頃から地域あってのお寺について考えたり、地域に開かれた寺にしたいとイベントをしたりしている僕としては、こういう機会に進んで役を引き受けなくてはならないと思うのだが、不思議と疲れていたり用が目白押しの時に限って常会長さんがどっさりと配布物を持ってくる。

げげ。

こういうネガティブな気持ちで受け取る配布物は、長野市からの催し案内にしても市政報告にしても「こんなことをしてなんになるのか」というような悪態をつきたくなるようなものに見えるから不思議だ。実際、そうである場合も多いと思うのだが、中には大事な情報もある。行政も規模が大きくなると、市民に対する行政サービスも多岐にわたるせいか、市報を見ても情報が豊富すぎて目が回ってしまう。もしかすると、目が回るように編集してあるのかもしれないが、組長の仕事は、そのような目が回るものを届けるものなのだ。

2008年10月

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