住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

仏教: 2017年4月アーカイブ

今日はお釈迦さまの誕生日

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48日 花まつり お釈迦さまの誕生日

 

今日は「花つまり」お釈迦さまの誕生日(降誕会)。

お釈迦さまは、今から、2500年ほど前に、インドの北、今のネパールのあたりにありました釈迦国という小さな国の王子としてお生まれになりました。

ルンビニーの花園で、お母さまの右脇からお生まれになるや直ちに北に向かって七歩あゆんで、右手で天を、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」と唱えられたと伝えられます。王子は、シッダールタ、全てを叶えるもの、と名づけられました。


全仏花祭り.jpg

 (画・牧宥恵)


そして、健やかな成長の中で、シッダールタ王子は、深く人間の生老病死の「苦」を見つめ、その苦しみが永遠に輪廻する世界からの真の解放(解脱)の道を求めて、29歳の時、家族も地位も財産も捨て、ひとり出家されたのでございます。

それから、髪をそり、ボロをまとい、真理をたずね、師を求め、命がけの苦行をし、かつて誰もしたことのなかほどの断食をきわめて6年の間ひたすらに真理への道を求めて参りますが、いずれの道にもシッダールタは満足できず、それらを離れ、それらを超えて、ひとり心身を調え、かの菩提樹のもとで深い瞑想に入られます。

 

菩提樹2.jpg

(菩提樹)


そして長い瞑想の末、目覚めを妨げる悪魔マーラーを退けて、シッダールタは12月8日の朝、明星の輝くころ、悟りを開き、ブッダ=目覚めた人となったのでございます。

以来、80歳でクシナガラの沙羅の林で入滅されるまで、自ら目覚めた解脱への道を、人に応じ、苦に応じ、病に応じて説き示し、多くの人が弟子となり、多くの人が慰められ、多くの人が帰依し、その法は、時を超え、国も民族も越えて、今日に伝えられています。

 

どうか、多くの皆さまに、お釈迦さまとのご縁がありますように。

その善き教えと、皆さまが出会われますように。

この世に、お釈迦さまの教えが広まり、長く伝えられていきますように。



 

南無釈迦牟尼如来

南無釈迦牟尼如来

南無釈迦牟尼如来

 

合掌

(住職記)

すきなことば

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46日 晴れ 春らしくなってきました

 

今日は、長谷寺とも縁のある詩人の故・山尾三省さんの詩から、私の大好きなものをひとつご紹介します。


ことば

        山尾三省

 

あなたはどんなことばがすきですか

海ということば

森ということば

いのちということばが

すきですか

それとも

平和ということば

やすらぎということばが

すきですか

それとも

争いということば

憎しみということば

むかつくということばが

すきですか

 

それともまた

しらけるということば

切れるということばが

すきですか

 

私は今

いのちということばと

やすらぎということばが

とてもすきです

 

いのちということばには

わたくしの光があります

安らぎということばには

わたくしの涙があります

 

あなたはあなたで

わたくしはわたくしで

もろともに

ほんとうに心から好きなことばをみつけて

そのことばを大切にし

そのことばを生きていくのが

人間であり

人間社会であると

わたくしは思います

 

いのち

やすらぎ

 

あなたはどんなことばがすきですか

*           *              *              *

 

長谷寺は仏教の中でも真言宗の教えを伝えています。

真言というのは、字の通りに「まことの言葉」ですが、それを教義として宗教哲学的に理解し体解するのは容易なことではありませんね。

仏の道は、悟りや救いの道として人類の宝である一方で、良寛さん「釈迦といういたずら者が世に出でて世間の人を惑わするかな」という歌があるくらいですから、その『難しさ』というのが立ちはだかって、私たちの意識を遠ざけてしまいますね。

この三省さんの詩は、実は、そういう難しく感じられる仏の道を、分かりやすく語ったものでもあります。

「ほんとうに心から好きなことばをみつけて、そのことばを大切にし、そのことばを生きていく」こと。それが、真言宗という、まことの言葉を生きていくということに通じていくのですね。

愛とか、思いやりとか、感謝とか、誰でも大切にして生きていきたい言葉ってありますよね。モットーとか、座右の銘とか、いろいろといい方はありますが、本当に真心から日々大切にして生きていく言葉。自分の人生を、その言葉とともに歩んで行けるような言葉と出会えたら、それはなんて素晴らしいのでしょう。

みなさんは、どんな言葉がお好きですか?

時々、静かに見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

合掌

(住職記)

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