三十三燈籠

長谷観音に古く伝わる雨乞い祭り三十三燈籠。地域では親しみを込めて「さんじょさん」と呼んでいます。遠い昔、干ばつに苦しんだ祖先が、観音さまに雨乞いをするとたちまちに雨が降り、大地は潤い、人々の苦しみは去りました。人々は歓喜し、八月九日の夜、観音さまに報恩のお参りをしました。感謝の思いを灯りにともし、一軒一軒からひとつひとつ捧げていくと、それは三十三の灯りとなって観音さまのお堂を美しく照らしました。それから人々は、観音さまへの感謝を忘れないように、八月九日の夜、観音さまのお祭りをして三十三の提灯を飾るようになりました。

開催日時

毎年 8月9日

午後8:00~午後11:00

「 三十三燈籠献灯祭 」

会場 長谷寺



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交通アクセス・駐車場情報

三十三燈籠のこと

長谷観音のある長野市塩崎地区には、土地の人が親しみをこめて「サンジョサン」と呼ぶ祭が伝えられています。毎年8月9日、観音千日詣での夜、身を清め祭り装束に身を固めた若衆たちが「トオーユイトー、トオーユイトー」と鬨の声をあげながら夜道を駆け抜けます。

長谷観音の250段の石段を駆け上がっていく男たちの勇壮な姿を、古来より絶えることのない長谷大神楽の舞いと笛太鼓の響きが追いかけます。

やがて、村の人々の祈りのこめられた三十三尺の大竿に、雨乞いと五穀豊穣を願う三十三の提燈が燈されると、村の衆の誇りと心意気、そして祈りが結晶して観世音の宝前を美しく荘厳します。

このお祭りの由来を伝える言い伝えによりますと、
昔々、長谷観音のある信州更級郡塩崎村をひどい旱魃が襲いました。人々は嘆き苦しんで、長谷のお観音さまに願うと霊験があってたちまちに恵みの雨が降り注いだといいます。
村の衆は喜び、8月9日(旧暦7月9日)の夜、感謝の真心を提燈の灯火にこめて長谷観音に参詣しました。その時に集ってお参りをしたのが三十三軒の家の人々(現在の塩崎山﨑地区)であったいわれ、これが三十三献灯祭の始まりであると伝えられます。現在の形になったのが江戸時代の初めであるといわれますが、雨乞いの祭事の起源はさらにさかのぼると考えられています。
観音経が説く観世音菩薩の三十三変化身の教えや真言密教の請雨の秘法、そして天地とともにある日本古来の神事のこころや自然への畏敬が表現される、極めて独創的でユニークな祭であり、塩崎地区の歴史と祈りの文化を今に伝えています。

雨乞祭り 三十三燈篭(長野市無形民俗文化財)