住職日記

焼八千枚護摩供のご案内

焼八千枚護摩供 結願法要 

合掌
檀信徒の皆様
白露の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

本年令和五年は、真言宗の宗祖である弘法大師空海さまのご誕生1250年のよき年です。
これを慶祝し、長谷寺では檀信徒の皆さまに勧進し、記念事業として開基殿の修復を実施しました。本当にありがとうございました。
また去る6月18日には慶祝法要として檀信徒とともに柴燈護摩火渡りをいたしました。
詳細はこちらをご覧ください。
あわせて報恩の行として弘法大師の教えである本尊瑜伽の実修をし、その功徳を檀信徒の現当二世に回向したいと願い、令和2年夏より本年5月迄、本尊十一面法千座を勤め、不動護摩百座をお勤めいたしました。

本尊瑜伽(ゆが)の行とは、弘法大師自身が、若き日より命の神秘、宇宙の真実を求めて仏道を歩み、ついに中国に渡って偉大な真言密教の大阿闍梨である恵果和尚より授かったもので、弘法大師自身が求め、生涯をかけて学び、実修した道です。

真言宗では、これを「即身成仏の法」として、弘法大師以来今に大切に伝えています。
千日にわたって勤めさせていただいた「十一面法」も、弘法大師が伝えた即身成仏の修行法の一つであり、長谷寺のご本尊である十一面観世音菩薩のお悟りの心と、修行者がひとつになる(瑜伽)ための瞑想修行です。ご本尊さまのお導き(加持力)を念じて、日々に勤めてまいりました。

思うに、観音さまの慈悲のお力は、常に、休みなく働いて私たちに注がれているのですが、私たちの心は煩悩のチリで曇りに曇っていますので、その力を感じ取ることはおろか、「ひとつになる(即身成仏)」という境地には到底たどり着くことができません。
しかし、真言密教の教えの大切な点は、たどり着くことはもちろんですが、そこに至ろうと努めている一瞬一瞬を尊びます。仏さまと一体になろうとするということは、仏さまの功徳を積んでいくことであり、その功徳とともにある一瞬一瞬を尊ぶのです。むしろ、どんなに至らない修行者であっても、その功徳を実修しているその時、仏の身体・言語・意識の三密(功徳)を至心に勤めているその時、私たちの本来の心がご本尊のお悟りの心と融け合っているのだと申します。

この令和2年からの千日祈祷、そして百日護摩によっていただいてきた観音さまの功徳、そして不動明王さまの功徳をご信徒の皆様に回向し分かち合うために、来たる10月9日には、焼八千枚護摩供を修し、それをもって末資として宗祖に報恩の微志を捧げたいと思います。

この焼八千枚護摩供とは、弘法大師が伝えた真言密教の伝統的な修行法の中でも、功徳甚深の法として知られ、古来多くの修行僧が修してまいりました。

この行では二十一日の間、行者は日に三座の不動護摩を修し、不動明王の真言である慈救ノ呪を十萬遍を唱えます。この間、前半の加行二七日間は、精進潔斎五穀断ちをし、三七日の正行に当たっては断食をします。そして結願の座にはお釈迦さまが人々を救うために娑婆に八千度生死したという尊いご修行にちなみ、この大いなる功徳を一座において修めて煩悩を焼尽することを念じ、八千本の護摩木を焼き尽くします。

焼八千枚護摩供は巡り合うことが稀な法要で、参拝随喜の功徳は誠に大きく、現世と来世の福徳を授かります。ご一緒に念じ、ひと時でもご真言をお唱えいたしましょう。

当日ご参拝の皆さまには結縁の証しとして、お札を授与いたします。
焼八千枚護摩の特別護摩祈祷(金五千円)をご希望の方は、当日受付にお申し込み下さい。

◆期  日 令和五年十月九日(祝)
◆一般参拝 午前七時~午後三時頃
 ※約十時間の法要ですのでご都合のよい時間帯にお参り下さい。
◆場  所 観音堂
  

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