得度式

先月、娘が御本山において得度(とくど)させていただきました。

何年か前に私も、お寺で生きていくという決意とともに御本山で得度させていただきました。あの得度式のこと、あの時の気持ちを、今も時々思い出し、身が引き締まる思いがするのです。

どんな思いがあったのか、自分から「私も得度する」と言った娘。
親たちは得度式に参列することはできません。真っ白な白衣姿で、他の受者の方たちと並んで道場に向かう娘の後ろ姿を、祈りを込めて見送りました。

総本山智積院

得度式が終了し、私たちが道場に入ると、そこには白い頭巾と黒い直綴を着て真っすぐに座っている娘の姿がありました。小さくも見え、大きくも見え、何だか胸がいっぱいになって、涙が出そうになってしまいました。

息子の得度式の時もそう思いましたが、「お寺に嫁ぐ」ということには、自分の意思も多少はあるとして、「お寺に生まれる」ということは、いったいどんな縁があってのことなのでしょう。どんな縁のもと、この子はお寺に生まれてきたのでしょう。

得度を終えた娘の後ろ姿

能化(のうけ)さまは受者の方たちに、「これからいろいろなことを学びなさい。そして、学んだことを自分だけのものにせず、人のためになるようになさい」というお話をして下さいました。

この先どんな道を選んでもいい。今日の日のことを、今日の気持ちを忘れずに、よき人生を歩いていってくれたらと思っています。

帰り道、一緒に見た夕焼け



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