秋の午後の写経

10月10日、澄みきった青空の秋晴れの日曜日。
この日、毎月第2日曜日におこなわれる写経の会がありました。

庫裏の写経道場

写経をする場所は、本堂と庫裏の2か所。どちらでもお好きな方を選んでいただきます。長谷寺の写経の会は、なんと今月でちょうど250回目!私がお嫁に来た頃にはじまりました。もう20年以上来られている方から、新しい若い方まで、毎月30~40人ほどがいらして下さいます。
般若心経の写経をするだけではなく、本堂でのおつとめや、ハッとしたりジーンとしたりする住職の法話もあり、ささやかなお茶とお菓子もご用意。
私たちも、月に1度皆さまにお会いできる写経の日を、とても楽しみにしているのです。

10月なので、
お菓子もハロウィーンに

写経がはじまると、会場は静寂につつまれます。心地よい秋の風が時折木々の葉を微かに揺らす音と、庭のどこかで虫が鳴く小さな音だけ。

写経の効果は、心が落ち着く、脳が活性化する、などたくさんあると言われていますが、私はいつも、この写経の静寂は、なんて「良きもの」に満ちた静寂だろうとしみじみ感じます。それぞれの人生を生きている方たちが皆、良き心であれ、良き自分であれ、良き人生であれ、と願いつつ、心を集中させていくことで生まれてくる深い静寂。それは、ほんとうにあたたかい「良きもの」に満ちた静寂なのです。

「この写経で1か月分の心の垢を落として、また今日から頑張るの」とおっしゃる方がありました。そうそう、帰られる時のお顔は皆、とても優しいお顔です。これも写経の大きな効果でしょうか。いらない気持ちは、みんな落としていって下さい。
どうぞ、良きものに満ちた人生でありますように。

写経が終わる時間の東の空
優しい日暮れの色

写経は毎月第2日曜日の午後2時から。
穏やかであたたかい静寂のひとときを、味わいにいらして下さい。

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