2月のえんにちカフェ

この冬は、寒くて雪の多い冬になりました。
お寺の境内の日影には、冬の始まりからずーっと雪が積もったまま。

仁王門から石段へ

縁日の今日も、朝からまた雪が降っていました。
それでも縁日が始まる頃にはパタッとやんで、きれいな青空が! 

御祈祷の太鼓が 
響いてくる観音堂 

2月のえんにちカフェは、長い冬にたまった疲れを取るべく、びわ茶にしました。

びわ茶は古くから健康によいと親しまれてきたお茶で、疲労回復や血行改善に効果があると言われています。最近は抗酸化作用も注目されていますね。煮出すと赤い色のお茶になります。体調を整えて、すぐそこまで来ている春を待ちましょう。

毎年2月になると飾る鬼っ子たち
目が合うとつい笑顔になってしまう 

先月の寺嫁日記で、お寺のお正月をご紹介しました。
今日はその後のお話をしましょう。

1月18日でお正月行事が全て終わり、あちこちの片付けや掃除も終わると、一番最後にすることがあります。それは、御守の整理です。毎年秋に、住職と御守を数えることから始まるお正月準備ですが、最後にもう一度御守を整理して、お正月を仕舞います。住職はここからお年始回りにうかがいますので、一人でするのですが、私は毎年、この時間がとても好きなのです。

静かな部屋に丸いストーブをつけ、一人で御守をひとつひとつ丁寧に数えて整理してゆきます。聞こえるのはストーブの火が燃える音と、時々屋根から雪が落ちる音だけ。そんな時間の何が好きなの?と思われるでしょうか。

御守を手にしていると、初詣に来られたたくさんの方々のことが思い出されるのです。御祈祷札を抱えて、晴ればれとしたお顔で帰られた方。大切に、一人ひとつずつ御守を選んで行かれたご家族。おみくじで大吉が出て、思わず一緒に喜んだ方。昨日は、長谷寺で合格祈願をなさった方が見事合格、とのご連絡もありました。

フィギュアスケートの坂本花織選手は、前回のオリンピックでもリュックサックに22個の御守を付けて、「御守パワーで突っ走る」と話題になりましたが、この北京オリンピックでも「大量の御守を今回もスーツケースに入れてきました!」とのこと。うふふ。小さな御守が、どこかで誰かをたくさん守っているのですね。

みんな幸せでありますように。どうぞよい1年になりますように。お正月をそっと仕舞いながら、はるか昔からずっと繰り返されてきた優しい祈りが、静かな部屋に満ちていきます。

こうして、お寺のお正月は、荘厳な音色を響かせた音楽が余韻を残して消えるように、静かに終わっていくのです。

シェアする