住職日記

インフルエンザ

息子が新型のインフルエンザになった。

 

周囲の中学校や小学校ではだいぶ流行していて、学級閉鎖も続いていると聞いていたが、地元の塩崎小学校にはまだそれほどの感染者は出ていなかった。

ところが、数日前に、同じ5年生の隣のクラスに発生したらしい。

らしい、というのは、母親同士の噂話で「気をつけなくっちゃね」ということだったからだ。

しかし、それはあっという間に拡大してそのクラスは忽ちに学級閉鎖になってしまったのだ。

ところがである。

学級閉鎖になる前段階の情報が、例の噂話しかなくて、まあ大丈夫だろう、と少々心配ではあったが、息子がその隣のクラスに所属する友達の家に遊びにいくこともさして気にも留めなかった。

がしかし、その夜、その友達のママさんから女房にメールが・・・。

「凄い熱だしてるよぉ(涙)」

翌日、そのクラスは感染者が激増してただちに学級閉鎖。

で、当然のことながら、翌日には息子のクラスからも、ことに一緒に遊びまわっていた子どもらから発症者が続出。

その拡大の速さに恐れをなしたのか、他の学年にも感染者が相次いだ生もあってか、学校から閉鎖の連絡があった。

学校閉鎖、である。

ワクチン接種より、実際に罹患してしまったほうが、強力な抗体が生じるらしいから、ある意味では感染してしまったほうが良い、ということも言えなくもない。

しかし、弱毒性とは言うものの、小中学生には、重篤の脳症になる子も少なくないという。

実際に、関東で教育関係の公務に携わる方から聞いた話では、命に別状はなかったもののかなり深刻な脳症にまで進んだ例が続いているという。

驚いたのは、その方の話によると、学校や学級の閉鎖になると、当然のことながら健康な子どもたちの外出は控えられるべきものであるのだが、暇をもてあました元気な子どもたちの中には、ここぞとばかりに平日の東京ディズニーランドに行って遊びまわっていたという・・・。

学校側としては、その後、重症化が少ないとの判断から、罹患者が一定数を超えたらクラスを閉鎖し、閉鎖したクラスが一定数を超えたら学年を閉鎖し、一定数の学年閉鎖になったら学校を閉鎖する、という単純な公式の履行は止めたそうである。

その公式を遵守していると、授業日数が圧倒的に不足してしまうというのだ。

親からも、授業してほしい、との要望もあるという。

まあ、関東の事情はさておくが、平日に小中学生を暗黙のうちに大量に受け入れているとしたら、ディズニーランドは、健全な娯楽の提供という企業理念にいささかならず反するのではないだろうか。

むしろ、感染拡大に一役買ってしまっているようなものだ。

ちょっと、考えさせられるし、また一目置かれる企業だけに、その辺の対応には、毅然たる対応を示してほしい気がする。

 

で、我が母校であるが、やはり情報の公開というか、提供が今回は後手に回ったと言われてもしゃーないだろう。

すでに何人もの感染が確認されていたのに、その情報提供は、そのクラス内に留められ、同学年は愚か、学校内には配信されなかったのだ。もしかしたら「誰が感染したか」という個人情報を守秘したかったのかもしれない。

しかし、今回の感染力からすると、一クラス内に数人の確認が取れた時点で、全学に注意喚起と自宅待機、感染予防のいっそうの徹底などの「お触れ」を出すべきだったのではないだろうか。

残念ながら、今回は、感染者が出たクラス内だけに情報が限定されてしまっていた。

したがって、うちの息子ばかりでなく、たくさんの子供たちが、そんなことは知らないまま感染者の家に集まって全員が感染したのである。

現在懸念されている新型の危機管理に関しては、誰がなんてことには関心はない。

いつ、どこで(どのクラスで)、何人が発症したのか、が問題であった。

そしてそれは、PTAの連絡網で、随時共有と更新がされていくレベルの情報であったはずだ。

学校サイドは、なぜクラス外への情報提供をためらったのか、その判断の基準や仕組みを検証しておいたほうがいい。

いい勉強になったはずである。

むろん、学校だけではなく、我々親も。

これが、強毒性の、次なる新型インフルエンザであったとしたら、しゃれにならん。

 

息子は、幸いに、熱も高くなっていない。

薬が効いたらしい。

しかし、家の中ではあるが、離れた部屋に隔離され、妹とは接近禁止である。

彼の友達は、激しい高熱で、かなり苦しんでいるらしい。

今回は、防げた感染ではなかったろうか。

 

結果からだけものを言うのは、現場の人への礼を欠くが、今回はあえて言ってみました。

 

 

 

 

 

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