住職日記

開いた扉の前で

御開帳が続いています。

前半は寒い日もありまたが、連休に入るころから暖かくなり、ここ数日は初夏のようです。境内のツツジの花がどんどん開いて、お参りの皆さんの目を楽しませています。

朝日を浴びる回向柱


お参りの方に一枚ずつ、「参拝結縁の証し」として差し上げている牛王宝印を数えてみると、御開帳が始まった4月16日からの約20日間で4000人以上の方が御開帳の十一面観音さまの前で、手を合わせお祈りをされました。

そのお一人おひとり、お一組お一組の方々が、それぞれの思いをいだいて、観音さまの前に立たれました。

その皆さんとゆっくりお話しが出来ないのが残念ですが、その手を合わせる姿から、いろんなことを感じさせていただきます。

観音さまを見るなり、涙をこぼす人。

じっと見つめる女の子。

「次は会えないかも」と手を合わすお爺さん。

赤ちゃんを抱くパパとママ。

「久しぶり」と、むしろ住職に会いに来る旧友や近所の人。

ご病気の家族の分も、と拝む人。

夢を叶えたいと一心に手を合わせる若者。

重いご病気のお子さんを抱いて、やさしく一緒に縁結びするご両親。

妊婦さんもたくさん来れます。

毎日観音さまに会いに来る方。

何時間もじっとお参りする女性。

仏像が大好きというアゲアゲのテンションの一家。

ふと、長年抱えてきたことを話し始める人。

前回一緒に来た夫は(妻は)先立ちましたと、観音さまに冥福を祈る人。

奈良、鎌倉、そしてやっと信濃にお参りできたと喜ぶ人。

深い自責の思いを吐露する人。

仲の良いご夫婦。

閉門の時間帯に、必ず来る人。

そんな、いろんな、とてもいろんな人たちが、御開帳の観音さまの前に立って、手を合わせています。

思えば、当山は開創1380年余り。

こうして、ずっと、観音さまは見守って来れられたのでしょう。

その十一面の眼差しで。

いよいよ、残り2日間。

皆さんのお参りをお待ちしております。

住職 拝

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