住職日記

観音@ハツセ考

風に乗った種が飛来し、異国の大地に根づく。今では珍しくなくなった花が、帰化植物であることを知り意外に思うことがあるように、風景に融け込んでしまった仏教もまた、外来種であり、いつか誰かが持ち込んだものだ。 最初の種が落ちた […]

再生の聖地ハツセに学ぶ -再生の決め手-

再生の聖地ハツセに学ぶ -再生の決め手-長谷寺の長谷はそもそもハツセという。 漢字を当てれば「果瀬」「泊瀬」「初瀬」と書く。 果は果てること、泊はとまること、初ははじまること。終わり、とどまり、始まり――。 山深き谷あい […]

しらすけ物語 喪失、祈り、再生、出会い、成熟、別れ

長谷寺開基の物語です。 絵本は1冊1000円です。 売り上げはすべて東日本大震災および長野県栄村の被災地にお送りしております。

白助物語(長谷観音開基伝説を読む) その4

旅の終わり              その後九ヵ年を経て、くたんの本尊の左手忽然として失せぬ。時天くもり山幽にして、翁が家を巻き覆い、夜中に及んで件の女房の云う。我は是れ長谷寺の地主瀧蔵権現なり。大聖の御使に此の所に来れ […]

白助物語(長谷観音開基伝説を読む) その3

 旅から還って                        夢さめて下向しけるほどに、初瀬の里、森というところにて、童子一人具したる女に合ぬ。みめことからゆゆしくして、立ち寄るべき様もなし。翁兎角親しみ依って […]

白助物語(長谷観音開基伝説を読む) その2

 旅の深まり                翁かの説法の詞にしたがって、当山(※奈良の長谷山)に尋ね入るに、寳石いまだ顕はれ給わざる前なれば、堂舎もなく、本尊もいまさず。ただ茫然として山に向かうほどに、中心に當って光を放 […]