住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

鳩文字の額

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善光寺さんの鳩文字の額はとても有名です。五羽の鳩が隠れているのを、参詣者が数えている姿を見かけます。鎌倉の鶴岡八幡宮も知られていますが、この鳩文字は、全国の神仏の霊場にしばしば見られます。信州にも、飯山の小菅神社の鳥居にかかる「八所大神」、安曇野の満願寺の仁王門にかかる「救療山」の額にも、鳩と思われる鳥が描きこまれています。

長谷寺の観音堂にかかる額にも、「谷」の字に二羽の鳩が描かれています。

鳩文字の額.JPG

この額の書は、江戸時代の正徳年間の頃に、京都の仁和寺の門跡となられた守恕法親王さまによるものです。どのような縁によるものか、古い時代に長谷寺周辺が仁和寺の荘園であったとされることからかお書きいただきました。堂々たる大書で、長谷寺のお観音さまの霊力をあらわしているようです。

古来、神域の入り口に建てられる鳥居。神のお使いである鳥が降り居る特別な場所の印ですね。長谷寺の額も、鳥居が神域であることをあらわすように、お堂正面に高々と掲げられて、長谷寺が特別な霊場であることをあらわしていると思います。

寺の字をよくご覧いただくと、宝剣と如意宝珠が巧みに書かれているのがお分かりと思います。それぞれ、宝剣は除災を、如意宝珠は招福をあらわすシンボルですから、この字をもって、長谷観音が除災招福のご利益を得られる寺であると告げているのですね。

文字というものについて、私たちの祖先は、神秘的な力、霊的な力を感じていました。とりわけ漢字には、畏怖に近い気持ちを抱いていたと思います。現代人の私たちでも、この額の文字をじっと見つめていると、なにやら動き出しそうな感じがしてまいります。

今度お参りしたらぜひじっくりと鳩文字の額をご覧ください。

観音さまの除災招福のパワーを感じて頂けますよ。

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2015年7月

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