住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

五郎丸選手と三密加持

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ラグビーの五郎丸選手が話題です。

 

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(五郎丸選手のツイッターより)


とりわけ、五郎丸選手のルーティン(きまりきった仕事。日々の作業)と、あの手の仕草が、「まるで仏像の印だ」と話題になっています。ウェブ上では「不動明王の印だ」とか「空海の力を使っている」とか「忍者の子孫だ」などという声もありますね。

 

不動明王とか空海はともあれ、それよりも、興味深いのは、五郎丸選手のキックの前の動作です。あの手の「印」はもとより、身体の姿勢や動作を調え、口でも何ごとかつぶやいているようでもあり、意識も深い集中に入っている様子(歓声が全く聞こえないのだとか!)から、身体・言語・意識の三つを徹底的に調えることに勤めているように見受けられます。(これは、真言密教的に言うならばまさに三密加持!)

 

それによって五郎丸選手はベストなキックを確実に再現しています。自分のパフォーマンスのレベルを最大限に引き出す術として、五郎丸流の「三密加持」をご自身で築き上げたものだと思いますが、優れたメンタルトレーナーもついているとのことなので、密教が示すような方法論も、もちろん試行錯誤の中で取り入れられているのでしょう。

 

イチロー選手も、ネクストバッターズサークルから打席に向かってか前に入るまでの動作に同様なものがありますね。アメリカではそれがとても禅的でクールだと称賛されています。

 

スポーツ選手に限らず、十全に自分の能力を発揮することを目指す人は、こうした身体・言語・意識調和していくスタイル持っていて、それが特有のかっこよさになっているのかもしれません。

 

仏教には、心の安らぎのための教えである面とともに、人間の持っている能力を善きものとして開花するための術としての面もあります。五郎丸選手が、仏教を取り入れているかどうかは分かりませんが、あの不思議とかっこいいルーティンから、仏教のそんな一面をあらためて考えました。

 

観音さまの教えも、癒し、安らぎという面とともに、私たちの持っている生きる力をより良いものとして発揮していく術という面もある、ということを覚えておきたいですね。

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