住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

東北関東大震災 あなたたちは一人じゃない

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頑張れ、
と励ます言葉は、
時には「もう頑張りすぎている人」にはかえって酷なこともある。
でも、「頑張れ」という言葉でなくても、
頑張ろうという気持ちが沸いてくる励ましもある。

観音さまの「大悲心」は、
そのもとの言葉「カルナー」の語源をたどると
「ともにふるえる」という意味になるという。

ともにふるえる人間性が、
やがて「同悲同苦」という高い宗教心として自覚され、
そこに観世音菩薩が祈られる。

苦しみ悲しみのあるところに観世音菩薩が現れる、
というのは、
困難にある人間同士が、
お互いに「ともにふるえ」る共感と共苦を通じて、
生きなおす力が湧いてくることを意味しよう

今、
被災地の人たちのために「何かしたい」と思っている人は、
日本だけではなく、
世界中に何億といるだろう。

何も出来ないことを、
もどかしく、
また申し訳なく思う人もあるだろう。

でも、
ともに悲しみ、
目の前の自分の暮らしにベストを尽くすことも、
大いなる支援だ。

仏教は、
回向ということを考える。
離れていても、
善い行いによって生じた力が、
苦しんでいる人に届く。

祈ることも、
般若心経を唱えることももちろんだが、
笑顔で家族や友人の心に平和を生み、
困っている身近な人の手助けをし、
何より自分自身の心を平和と安らぎで満たす。

激甚なる災害現場では、
今、
被災者ご本人とともに、
専門的な経験ある人たちが全力で人命救助と被害の拡大を防止する活動に当たっている。
その命をかけた活動に敬意を払って、
私たちは祈り、
そして自分の暮らしを見つめなおし、
出来ることをしよう。

やがて、
身近にも義捐金の窓口や、
必要な物資の送付方法が整ってくるだろうから、
そうしたら出来ることをしよう。

有史以来最大規模の大災害なら、
最大最高の支援を寄せるためにも、
もっとも深く気持ちを静め整えよう。

合掌


2015年7月

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