住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

信濃 観音めぐり

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信濃の観音めぐり、長谷寺の企画も終盤。

今回は、小諸の名高い布引観音釈尊寺、上田市丸子の宝蔵寺、龍福寺、そして姥捨山長楽寺をお参りしてきました。

 

今年はバス巡拝の参加者も70名ほどいらして、大勢の皆さんと楽しいお参りが続いています。

 

残暑が厳しいので、布引山を登るのはいささか不安でしたが、さすが霊場です。一歩参道に入るや、ひんやりとした冷気につつまれて、日差しは大きな木々にさえぎられ、まったく暑さを気にすることはありませんでした。20分ほど登りますから、その「運動」による汗はかきますが、登りきって観音堂にいたれば、布引山をわたる風が汗をかいた肌に気持ちよく、切り立つ崖に見事に建てられた懸崖造りの観音堂で、皆さんで爽やかに般若心経をお唱えしてまいりました。

釈尊寺のご詠歌は

 望月のみ牧の駒はさむからじ 布引山を北と思えば

と、唱えますが、その昔朝廷に献上する名馬の産地であった望月や北御牧の土地は、ちょうどこの釈尊寺の南方に位置します。そこは、冬になると浅間から吹きおろす北風でとても寒くてやり切れず、駒(馬)たちも凍えている。でも、温かいお慈悲に満ちた布引山の観音さまのいらっしゃる方から吹く風だと思えば、そんな北風も寒くはない。

そんな意味になるでしょうか。ちょっと、やせ我慢みたいな歌でもありますが、暖房もない時代の人々にとっては、冷たい風が吹いてくる方向に観音さまが居るから大丈夫だと、確かに苛酷な自然環境を生きる我が身を励ましていたに違いありません。

季節は違いますが、暑さに対して不満をぶつけ異常だと喚きたてるより、見習いたい態度です。

 

丸子の寺も、台風の余波か、風が吹いてきて、日差しはありましたが、心地のよいお参りでした。

その後の別所の北向観音と、夢殿観音長福寺でも、爽やかな風が吹いていて、今日はなんだか助かりました。

これで風もなくギラギラの太陽が照り付けていたら、観音さまへのお参りもまったく集中できなかったでしょう。

 

信濃の札所は、山間の寺が多いので、残暑厳しいこの季節には、むしろ下界の暑さを忘れることが出来、お参りに向いている季節なのかもしれません。

 

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2015年7月

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