住職日記

「長谷寺の住職は現在35世代目。歴史ある寺を守ること、そこから仏教を発信すること、そこが地域に開かれた場となること。課題も夢も山積み。そんな住職の日々と思いをつづります。」

観音の大悲の桜咲きにけり

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4月16日 晴れ 桜満開ちょっと前 

長谷寺の桜もいよいよ見頃を迎えています。

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18日の春まつりは雨の予報ですが、きっと一週間くらいは楽しませてくれると思いますので、お出かけ下さい。

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観音の大悲の桜咲きにけり      子規

 

正岡子規の句です。

観音さまの寺の桜が咲いたよ、ということですが、「大悲」という言葉があることで、この句はとても味わい深くなりますね。

大悲とは、観音さまの心「大いなる思いやり」ということで、さかのぼれば「一緒に泣く」「共に震える」という意味があるそうです。この一緒に悲しむという心が、観音さまの『本心』でありその救いの力の働きそのものなのですね。

仏教では、この「悲」という働きが、他者の悲しみを癒し、傷ついた心を再生させると考えます。とりわけ大切なのは、悲しんでいる人本人が、その同悲の実践によって自ら立ち直っていくと考えるところです。誰かの思いやりを受けるだけでなく、他者への思いやりの発動こそが、自身の悲しみを癒していくのですね。

そんなことを踏まえて子規の句を読み直してみましょう。

子規の悲しみを桜の花が慰める時、子規は、そこに大悲つまり観音さまの働きを感じていたのではないでしょうか。観音さまは、その姿を無限に変化させて人々を救ってくださいますが、誰かがあるいは何かが私を癒し慰める時、その癒しの場には観音さまがお出でになるのだと思います。桜を見上げて慰められている子規の前に、桜という観音さまが現れているのです。

長谷寺には、たくさんの桜はありませんが、一本一本に観音さまの働きがやどり、皆さまをお待ちしております。

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住職より

合掌

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